ローンチ1年未満で評価額2,800億円!Brexは何がすごいのか

サンフランシスコで暮らしていると、「最近きているスタートアップって何?」とよく質問を受けます。「Brexっていう、スタートアップ向けのクレジットカード発行している会社だよ。」と即答します。「それの何がすごいの?」と聞かれると、答えに困ってしまいました。

Brexはすごいというのは、事実。2019年の6月に、Kleiner Perkins Digital Growth Fundを筆頭に、Y Combinator、Rabbit CapitalやDST Globalを含むVCらから100億円の資金調達を完了し、なんと評価額2,800億円がつきました。プロダクトのローンチから、1年も経っていません!

街を歩いていても、バス停や、ビルボードに「Brex」のサインは日常的に見かけますし、この前行ったSaaSのカンファレンスでも、Brexブースだけ並並でない存在感を放っていました。幾らサンフランシスコでも、ここまで顕著に脳裏にまとわりついてくるスタートアップは、これまで見たことがありません。

だから、最近きているスタートアップは、Brex以外にありえないと思っています。ですが、何がすごいのかは、まだ分かっていません。スタートアップ向けのクレジットカードは、随分と前から大手が用意していたプランがありました。スタートアップ向けのクレジットカードと聞くと、市場規模も掴めません。

なぜ、Brexはすごいのか?

前提として、Brexは、クレジットスコアがなくてクレジットカードの発行が困難なスタートアップの課題を解決しているスタートアップになります。創業者は、若干22歳のブラジルからやってきた二人組。彼らは、アメリカに来る前にStripeのブラジル版になる、Pager.meを大手金融機関に売却し、数十億円を手に入れています。企業価値に彼ら二人の技量も含まれているかといえば、ないとはいえませんが、この金額規模になってくると、やはりプロダクトそのものに謎があるに決まっています。

どこよりも早く発行される

通常クレジットカードを発行する時、申し込みがあって、審査を通して、早くても数週間程度を費やして、かつ審査に落ちてしまう場合もあります。アメリカは与信に厳しいので、スタートアップのようなリスクと訓読みできる生き物はカードを作るのが一苦労です。Brexなら、申し込みをしたその瞬間からバーチャルカードを利用でき、カードそのものも3〜5日で届きます。

与信の革命

クレジットスコアなしでカードは作れますが、決して与信が機能していないわけではありません。Brexは銀行口座残高の10%の金額までカードで利用でき、また、CrunchBaseのようなスタートアップデータベースを活用し、スタートアップのステータスを外部から常に監視しています。スタートアップは破産しやすいからこそ、与信の限度も厳しくなる傾向にあります。しかし、Brexは与信システムを独自に築いているのです。

リワードが充実

Brexで用意されているリワードは、通常のクレジットカード10倍以上お得とされています。具体的にはライドシェアは7倍、出張関係は4倍、レストランは3倍、通常よりもポイントがつくとされ、更にAWSを年間5,000ドルまで無料で利用できたり、WeWorkを6ヶ月15%引きで利用できるなど、スタートアップ向けならではの喜びがあります。

スタートアップ向け金融の市場規模

スタートアップ相手のビジネスは儲かるのか?答えはYESです。スタートアップ向けにビジネスをやるということは、導入は比較的簡単です。変な取り決めがなく、創業者たちが納得すれば、そのサービスはすぐに受け入れてもらえます。その中で成功する企業が出てくれば、一緒にサービスの価値も急上昇。このやり方で上手くいったビジネス例が、WeWorkやStripeです。Brexは、スタートアップの経費全てに関わってくることになります。これを考慮すれば、WeWorkやStripe以上に可能性が見込まれる領域にもなるのではないでしょうか。

Brexの何がすごいのか、それはスタートアップ向けのクレジットカードを発行してるからというサービスには尽きません。スタートアップに関わる経費や、資金の管理すべてを担当していく破壊性があるから注目を集めているのです。また、ブロックチェーンの企業を買収したとの報告も受けていて、今後金融の領域を凄まじい破壊力で変えてくれるに違いないと考えられます。