2年後の市場規模は6兆円?合法大麻とスタートアップ

ここ10年のあいだに、UberやAirbnbのような「シェアリングエコノミー 」が市場に破壊的なイノベーションを引き起こして、既存のビジネスモデルにあったホテルや、タクシーをことごとく窮地に追い込んでいきました。その軌跡を振り返ってみると、彼らが対峙したのは、競合他社や、市場に受け入れられるかどうか以上に、法律的に白か、黒かも大きく寄与してきました。C2CカーシェアのGetAroundは、ワシントンDCでロビー活動を行なって、法律を動かしたことでも有名です。

今回、紹介するビジネスモデルは、逆に法律が緩和されていくことで、溢れ出るように盛り上がってきました。合法大麻市場です。アメリカでは、1800年代のゴールドラッシュになぞらえて、グリーンラッシュと呼ばれています。コロラド、カリフォルニアをはじめ10の州で嗜好用、他33の州で医療用大麻が合法となっていて、筆者が暮らすホテルから徒歩2分のところにも、大麻が買えるショップがあります。1年前はなかったのですが、オフラインでの店舗も急増しているように思います。

日本では絶対NGですし、よく学生たちが大麻栽培して逮捕されてますよね。でも、イギリスや、カナダ、そしてお隣の韓国まで大麻を全面解禁していて、決してアメリカだけの話ではありません。市場規模は現在、1兆円とされ、2021年までに3兆円や、6兆円にまで伸びるだろうという調査も。

脅威のグリーンラッシュが幕開け

大麻解禁運動の背景には、「節税」があります。大麻は乱用を防ぐための規制がなされきたものの、一方で、医療用は一般的でした。ライセンスを所持していれば、合法的に大麻を購入しても良いのです!このライセンスは、大病を患っている人に限らず、ちょっとした頭痛持ちでも簡単に申請できます。旅行客であっても体調不良を訴えて、ライセンスを発行してもらったというケースも。

こうした曖昧な取り扱いがされている状況で、取り締まっていくのは政府も大変です。病気である以上は、税金をかけにくいですし。合法であるタバコやお酒と同じ存在にしてしまえば、嗜好品としての課税ができるんですね。それから、大麻の性質上、中毒性もなく、タバコやお酒とも何が変わるのかっていう話でした。

そう、嗜好品なんです!嗜好品ということは、毎日ユーザーが愛用します。コーヒーを飲む人であればコーヒー、タバコを吸う人はタバコ、それらに負担しているお金はデフォルトになりますよね!だから、合法大麻市場は金のなる木になりえます。21世紀のマイルドセブンや、マルボロのようなブランドを目指して、スタートアップたちが走り始めています。

レッドオーシャン化しつつある業界

シリコンバレーで出会うスタートアップでも、合法大麻を取り扱っているものは少なくありません。友人の一人も、合法大麻の栽培会社向けの管理アプリを提供していて、最近Y Combinatorにも採択されていました。Y Combinatorでも、合法大麻スタートアップには何年も前から積極的に出資している傾向にあります!どんな種類のサービスを提供しているのかについて、ざっと見ていきましょう。

デリバリーにおける大麻

乱立してる大麻のスタートアップは、ほとんどがカリフォルニアを拠点にしてます。Eazeは、医療用大麻のデリバリーとしてスタートしましたが、規制緩和に伴い、嗜好用大麻も取り扱うようになりました。2017年9月、合法化する直前にBailey Venture Partnersをリードの引受先として、シリーズBの30億円を調達しました。Eazeはこれまでに、約55億円を調達済みで、500 Startups、DCM Ventures、Fresh VCなどアメリカだと著名なベンチャーキャピタルの名前が連なっています。

デリバリーの大手、Postmatesもフードデリバリーに勝る勢いで、大麻の運び屋を担ってるとされています。ちょうど、Eazeの競合にもなりうるのですが、Eazeがここ数年で最も力をいれてきたのは教育だとしています。人をダメにしてしまう大麻のイメージを払拭するために、健康効果が高まるコンテンツを発信したり、スポークスマンを採用しました。啓蒙活動というやつですね。

盛り上がるB2B

Baker Technologiesは、大麻を取り扱うビジネスや、薬局向けに顧客管理ツールを提供しています。2014年の創業以降、総額15億円の資金調達を行なっていて、業界大手のPoseidon Assets Managementを筆頭に、シリーズAのラウンドになっています。

大麻スタートアップたち

CrunchBaseが発表する、トップ10の合法大麻スタートアップを紹介していきます。

Eaze

合法大麻のEC、今風にいうとD2Cでしょうか。葉っぱ、吸うためのハードウェア的なものから、チョコレート、クッキー、取り揃えは豊富です!アメリカ全土の合法地域にデリバリーしてくれます。大麻スタートアップ最大ということもあって、オウンドメディアにも力をいれているように見えます。(調達額55億円)

Suterra Holdings

合法大麻を使用したセラピーを販売しています。あくまで精神的な健康と目指す方法として、大麻を使っているのであって、嗜好品としてむやみに提供しているわけではなさそうです。サイトから、同社が提供しているセラピーを購入できる仕組みとなっています。

Green Bits

オフライン店舗向けに、POS管理システムを提供しています。友人に誘われて、近くの大麻ストアに行った時にもこのソフトウェアをみました。商品管理や、在庫管理、顧客管理まで一括のソフトウェアでやっているようです!

Canndescent

大麻ブランド。チョコレートや、化粧品のようなボックスに包装されていて、高級感が漂う作りになっています。ブランドを意識して、葉っぱから、ハードウェアまで自社で製造しているそうです。Eazeもしくは、専門のストアで購入できます。

LeafLink

大麻の流通ポジションを担っているのが、LeafLinkです。大麻ブランドや、小売が登録して、販売までのプラットフォームとして機能しています。

Baker Technologies

大麻のCRMソフトウェアを開発しています。新規市場という特徴がゆえに、販売経路がまだ整備されておらず、また一方でどこの誰が作ったか分からない大麻は販売できませんよね。B2C以上に先行して、今後もB2B領域はどんどん伸びていきそうです。

Mj Freeway

早い段階で大麻合法となったコロラド州デンバー出身のスタートアップ。大麻製造元向けに、販売チャネルを紹介するプラットフォームを運営しています。

HelloMD

医者監修による医療用の大麻の効果と、製品を販売している会社。嗜好品としてではなく、あくまで医療用としての効用が見込めるものとして、大麻を提供しています。

Hound Labs

アルコールや大麻がどれくらい人体に影響を及ぼすのかを検査できるデバイスを提供しています。よく大学生になると、アルコールのパッチテストを受けたりしましたが、これの大麻バージョンというイメージです。人によっては、摂取し過ぎると悪影響なのは間違いないので確認できると安心ですよね。

Strainz

Strainzも大麻時代の新しいブランドマネージメントを目指しています。会社自体が大麻を製造しているわけではなく、製造元から仕入れた大麻をブランド化して販売をしています。

お金の匂いがする

とにかく市場が膨張していくのは明らかで、周りでほぼ全員が大麻を吸っています。個人的には、大麻の匂いはあんまり好きじゃなくて、なるべく避けたいと思っていますが、市場的にはすごいお金の匂いがするわけですね!その市場戦略にエポックメイキングさは必要なくて、伸びている市場に対して、製造、流通、小売のこれまで産業が作られた当たり前のインフラを整えていくって感じです。

アメリカはじめ、世界中の大麻合法化によって、また大金持ちがたくさん誕生するんだなと。まさに、ゴールドラッシュ!アメリカに一山当てに来るのもありかもしれませんね!?