3分で分かるNoCode!コーディング不要で成り立つ開発とは

イノベーションの歴史が、高度な技術を一般化することにあらならば、NoCodeムーブメントはその一躍を担うかもしれません!NoCodeとは、直訳すると「コード不要」。コーディングすることなく、今までコーディングしないと実現し得なかったことを実現することを指します。これまでの、開発環境を整えて、エディタを開いて、Gitで管理しながら作業を進めて、サーバーにデプロイするといったプロセスをスキップして、Web上の直感的な操作(ドラッグ&ドロップなど)で、本格的なプログラミングが出来上がる時代が到来しているのです!

ですが、NoCodeの概念を聞いて、驚く人はそこまでいないかと思います。なぜなら、もう何年も前からWixやShopifyのような簡単にホームページを作れる仕組みはあったからです。真新しくはありませんね。では、なぜNoCodeが今になって一括りの産業として注目を浴び始めているのかといえば、できることが増えたから、に尽きます。コーディング不要でホームページを作ることはできましたが、コーディグ不要でVRを作ったり、スマホアプリが作れるようになったのは最近のことです。

例えば、RPA(Robotic Process Automation)があります。RPAとはロボットを使って、ルーティン業務を自動化して、仕事を効率化しようという概念です。代表的なサービスには、IFTTTやZapierがありますが、これらのソフトウェアを活用することによって、「〇〇を含むメールを受信した場合、Slackに通知する」、「Trelloのタスクが追加された時に、メールに通知する」など、これまでエンジニアが実装していた社内効率化の処理を、非開発者が簡単に設定できるようになります。

前置きは長くなりましたが、実際にNoCodeに位置付けられるプロダクト群を見ていきましょう。これらは、NoCodeやRyan Hooverの記事を参考にしながらリストアップしてみました。他にも色々あるのですが、明日から使える実用的なサービスや、「こんなこともできるのか!」と真新しいものに特化して紹介していきます。

Webサイト制作

① Webflow、Strikingly、Weebly、Squarespace

Webサイトをブラウザ上で直感的に制作できます。WebflowやWeeblyなどは、プログラミングで言うところの静的なページを作成できることに特化しています。テンプレートや、使用できる素材やデザインも豊富用意されており、プランにもよりますが、月10ドル〜から運用が可能です。

② Carrd、About.me

自己紹介やポートフォリオのような1ページのシンプルなサイトを作成する時に、CarrdやAbout.meが使えます。スタイリッシュなサイトを作って名刺代わりになるようなサイトが出来上がります。年間9ドルのProプランに変更すると、フォームや分析等オプションを追加できます。

③ Sheet2Site

GoogleスプレッドシートからWebサイトを制作できます。下記の動画を参照していただくと分かりやすいですが、普段使っているスプレッドシートのデータをDB代わりにしてサイトが完成します。余談ですが、このSheet2Siteを開発しているのはAndrey Azimovという若い個人開発者。彼のことは、ジャバさんの記事で詳しく紹介されていますが、若いのにプロダクトを怒涛の如くリリースしてます。月10ドルで利用できます。

④ Sharetrbe

マーケットプレイス(シェアリングエコノミー 系)のサイトをプログラミングなしで制作できます。AirbnbやFiverrのようなサイトがすぐリリース可能です!Hobbyプラン(ユーザー上限100人)で月80ドル、プロになると119ドルの価格帯となっています。開発者からするとやや高いようにも思いますが、決済やメッセージ機能までついているので開発工数を考えるとお得なのかもしれませんね。

作業自動化(RPA)

① IFTTT、Zapier

前述したように、デスクワークを自動化してくれるオフィスツールです。Gmail、Google Drive、Google Calendarなど日常的に使っているツールから、Twitter、FacebookのようなSNS、Trello、Slackといったβジネスツールまであらゆるサービスを連携して利用できます。作れるレシピ数によって、20ドル、50ドルと段階的な料金形態が用意されています。

音声・チャットボット

① BotSociety、Octane AI

ドラッグ&ドロップの操作でチャットボットのプロトタイピングを作れます。チャットボットを制作する上で重要なのがシナリオ設計(選択肢ごとに会話を変更させる)ですが、全体図を見ながら作成していけるので初心者の方でも簡単に取り組めます。2つ以上のアプリを作成する場合は月79ドルとなりますが、最初は無料で試せます。

② Voiceflow

Alexaはじめスマートスピーカーが話題です。アメリカでは25%以上の普及率があるともされていて、タブレットを追い越すカウントダウンも始まっているほど。そんな時代の変化にいち早く対応してるのが、VoiceflowでAlexaスキルをプログラミングなしで制作できます。ドラッグ&ドロップの簡単操作で作れて、通常プランが月29ドルです。

アプリ制作

① BuildFire、thunkable、AppMachine、bubble、AppSheet、dropsource、shoutem

ネイティブアプリもコーディングなしでリリースできる時代になりました。ドラッグ&ドロップのような直感的な操作でボタンを設置したり、アイテムを配置してiOSとAndroidのアプリを作って公開できます。それぞれのサービスによって使える機能やテンプレートは異なりますが、月30ドル程度です。

スプレッドシート

① AirTable、Retool、Coda

フォームとデータベースを組み合わせた複雑なWebアプリケーションを直感的に制作できます。ECの在庫リストや、営業アタックリストのような、どちらかといえば社内ツールを作るのに適しています。ですが、ProductHuntを眺めていると、これらのツールで本格的なWebアプリケーションを作ってハッカソンで優勝したりすることもあるみたいです。

フォーム

① JotForm、TypeForm

エンジニアにとっては朝飯前のフォーム制作ですが、ユーザー管理を考えると面倒でもあります。フォームを誰でも簡単に制作できます。フォームの中身も直感的に作って、受けたフォームの内容はサイト上で管理し把握することができます。100レスポンスなど制限はありますが、最初は無料で使用できます。

VR

① scapic

VR、ARや3Dコンテンツのような立体的なコンテンツを手で描くように制作できます。最初から背景や瑞系などの素材が豊富に用意されていて、初めてコンテンツを作り始める人にも便利です。現在(2019年6月)に有料プランはないようです。これから、オプションなど追加されると思われます。

マガジン

① readymag

デジタルウェブマガジンを制作できます。通常のサイト制作ではデザイナーをアサインして一手間かかりそうな成果物を直感的なUIで仕上げられます。印刷したら、ペーパーのマガジンとして利用することもできそうですね。コラボレーターを増やしたり、SEO対策をするオプションを使用するためには月16ドル払う必要があります。

プロトタイピングの域を超えられるか

ここまで、NoCodeツールを紹介してきましたが、その利用範囲は未だプロトタイピングの域は超えません。個人やスタートアップがユーザー検証するための、MVP的な利用をすることには申し分ないが、トラフィックが増えてくると、NoCodeだけでは限界があります。

しかし、今後Firebaseのようなサーバーレスを実現するツールでフロントエンドエンジニアでも、フルスタックなWebアプリケーションが作れるようになったように、非開発者でも莫大なトラフィックを捌けるサービスを作れるようになる日が来ることもなくはないです。

NoCodeプログラマーの可能性

NoCodeツールをプロトタイピングの域に留めさせるかどうかは、ベンダーよりもNoCodeプログラマーの台頭によるところが多いのかなと思います。海外では、MakerPadといったNoCodeツールのみで実現できるケーススタディを集めたサイトが流行っていて、このサイトだけでも月の利益が20.000ドルあるほどに盛り上がっているそうです。

プログラミングスクール(Coding Bootcamp)が2013年から現在に至るまで9倍以上に伸び、エンジニア需要が盛り上がっている一方で、エンジニアを必要としないNoCodeのツールが盛り上がりを見せているのは皮肉ですが、今後この領域に関する課題解決は更に進んでいくのではないでしょうか。

プログラミングの歴史を振り返ってみても、年々、それ自体が簡単になっていき、作り手になるハードルが下がっていきました。そう思うと、NoCodeツールの存在は必然的であり、もっと簡単に作成できるツールも出てくるでしょう。スマホでAIを作れたり、音声入力でデータベースを操作できたりするのも、すぐそこにある未来かもしれません!