Y Combinator史上初のバッチを卒業した6人の起業家

この前、Y Combinator(以下、YC)を卒業したスタートアップの数は、およそ200社!それでも、合格率は2%以下とされているので、世界中から1万社以上が応募してることになります。そのデモデーは2日間に渡り、こちらもまた世界各国から著名な投資家が集まり、その期間だけで何十億、何百億円というお金が動くのです。

シリコンバレーのエコシステムで、YCが絶対的な存在感を出していることは言うまでもなく、有名どころだと昨年上場したDropbox、AirbnbやStripeなど日本でも馴染みの深いサービスが、YC出身の代表的なカンパニーとして数えられています!

もっと最近の話をすると、先日スタートアップに向けてクレジットカードを提供する、Brexが評価額26億ドルとなったニュースで盛り上がっていました。サービスを出して2年足らず、創業者は若干23歳という若さで、これはこれで別で取り上げたいのですが、最初は仮想現実のサービスをやろうとしたBrexの2人を方向転換させ、ここまで育て上げたのがYCでした。

YCが始まったのは、2005年。Yahooショッピングの原型となった会社を売却し、スタートアップ業界の中で著名投資家となったPaul Graham氏が仲間複数人と共に、ただお金を投資するだけではなく、3ヶ月程度の期間を設けて、スタートアップを育てようという当時、新しすぎるコンセプトでスタートしました。(Paulのエッセイはスタートアップのバイブルとされ、多くの起業家が愛読しています。)

ここまで、YC、YCとしつこく紹介してきて、その15年の歴史の中でどこを切り取っても学びがあるものですが。今回は、あまり知られていない、「YCの1期生」という括りにスポットを当てて、彼らがどんなプロダクトを当時始めていて、今どんなことをしているのかについて説明していきたいと思います。

1期生は、正確な言葉を使うと「YC S05」であり、2005年のSummer(夏のプログラム)で出資を受けたスタートアップ。始まった当初は、200ちょっとの応募の中から8社が選ばれました。

それでは、伝説とされている創業者たちを中心に紹介していきます。

Steve Huffman(Reddit 共同創業者)

シリコンバレーでも人気のある起業家の一人。Redditを立ち上げ、約1年でConde Nastへ売却しました。その後、旅行検索サイトHipmunkを2010年に起業し、2016年9月にSAP Concurに買収されています。Hipmunkを作っている時もYCから出資を受けてます。現在は、Reddit CEOに戻っています。

Alexis Ohanian(Reddit 共同創業者)

Steveと共に、Redditを創業。RedditはYCの面接時は、フードデリバリーのサービスでしたが、Paulが「別のアイデアに変えたら、YCに入れてやる!」と言って、お気に入りのリンクを共有してディスカッションができるRedditのアイデアを思いつき、サービスインしました。このあたりの話は彼の著書「Without their permission」にも書いてあるので、おすすめです!現在は、Initialized CapitalというVCを立ち上げ、出資活動を行なっています。

Sam Altman(Loopt 共同創業者)

起業家の側面よりも、元YC社長としての顔が知られてるかもしれません。Samも、YCの1期生でLooptでは位置情報共有のSNSを作っていました。Paulからすると面接の時から大人びていて、自分の後を継いでYCを支えられるのはSam以外ありえないと言わせるほどの実力者です。

Justin Kan(Kiko 共同創業者)

Kikoはオンラインカレンダーサービスですが、すぐにeBayへ258千ドルで売却。そのお金を元手に、Justin TVを立ち上げ、一躍世間を沸かせます。Justin TVは、Justinが一日中ビデオカメラを回して、インターネットに公開するチャンネルです。その後、Twitchにピボットし、Amazonへ9.7億ドルへ売却。現在、エンジェル投資家として活躍する一方で、法律スタートアップのAtriumなどを立ち上げています。

Emmet Shear(Kiko 共同創業者)

Justinと共に、Kiko、Justin TV、Twitchの立ち上げを行ないました。Justin TVの視聴状況を分析し、ゲームに特化させようと会社を成功に導いたとされているのがEmmetです。彼は現在も、TwitchのCEOを担っています。ちなみに、Twitchのもう2人の創業者であるMichael Seibelは現在YCのCEOであり、Kyle VogtはTwitchを離れた後に、Cruise Automationという自動運転のスタートアップを立ち上げ、10億ドルで売却したとされています。

Aaron Swartz(Infogami 共同創業者)

InfogamiとしてYCに入りましたが、やがてRedditの立ち上げに関わっていくことになりました。Redditを売却した後は、インターネットアクティビストとして活動。その後、論文データベースのJSTORから学術雑誌の記事をダウンロードしてインターネットに公開しようとして、起訴されました。この罪に問われてから2年後、Aaronは自殺しました。彼はRSSやweb.pyの開発にも関わっており、彼の死に天才を亡くしたと悲しみの声が上がりました。

今回はYC S05にスポットを当ててみましたが、卒業生の多くが会社を売却した後も、なお会社の立ち上げに携わってることが分かりますね。俗に言う、連続起業家ばかりです。YCはスタートアップに投資をし、その株式から利益を生んでるのですが、創業者自体を育てているということが分かります。

2005年に卒業した彼らが今もなおスタートアップエコシステムの中心に立ち、次のスタートアップを育てる活動をしています。上手くいくエコシステムづくりのヒントとして、人を育てることがあるのかもしれませんね。